11月 Futuresource CE:コンシューマーエレクトロニクス市場分析

世界規模でITの市場調査、コンサルティングを長年にわたり継続的に行い、高い評価を得ている Futuresource フューチャーソースとTAKアナリティクスは今年6月、日本での独占パートナー契約を結んだ。
その市場と技術カバレージの広さ、予測、分析の確かさで、今、世界で最も注目されているFuturesource と日本で既に30年にわたりIT市場調査に関わり、幅の広いインダストリーネットワークと豊富な調査、コンサルティング経験を持つTAKアナリティクス、その両者の強みを生かしたのが今回のパートナーシップである。ダイナミックに変化するワールドワイドの貴重な情報を、今後もタイムリーかつ高品質でお届けする。
今回のニュースレターはパートナー契約後初めて、「世界コンシューマーエレクトロニクス市場分析」と題し、フューチャーソースの最新レポートサマリーをお届けする。CE: コンシューマーエレクトロニクス、特にハイテク家電分野で何が起こっているのか、急速に力を付け、今や日本のお家芸である家電分野においても、その存在すら脅かすほどになった海外競合他社、彼らの動きを取り入れ、ここ数年の近未来を予測する、興味深く見逃せない市場動向動分析をお届けする。
全世界のCE支出規模は2012年55兆4000億円が5年後2017には61兆7000億円、CAGR (年複合成長率)2.2%の成長が見込まれる。$1=Y100 金額では6兆3000億円、10%以上の増加である。しかし注意すべきはその中身。スマートフォンの大幅な進捗を受けてPC,ノートブックが減少、又、テレビの漸増及びガラケーの半減、タブレットの増加が特徴的な動きと予測される。

全世界小売売上商品別金額市場シェア

2012年スマートフォン、PC,ノートブック、テレビ、ガラケーの合計は市場の75%を占め、2017年、この占有率自体に大きな変化は無い。タブレットはスマートフォンに引っ張られ2012年7.3%が2017年10.9%へと50%の増加を示すのが注意すべき点である。 しかし、ここで二つの大きな動きがある。ひとつはPC/Laptop のシェアがほぼ19%から13%へと6%もの大きな減少が予測される。これは金額ベースで実に2兆4000億円の減少となる。今ひとつはガラケーが9.1%から4%へと半減、金額ベースで実に2兆5700億円の減少となり、この二つの市場は急速に縮小する事が予測される。
それでは2012年CE全体では20%以下のシェア、2017年では15%以下に減少する「それ以外の商品」について、特にその中のホーム・オーディオビジュアルと呼ばれる分野はどの様な動きがあるのか?
以下2つのグラフについて。上はホームAV全世界出荷商品タイプ別数量(100万台)、下はその価格($1B) ベース。どちらも減少が予測される。

ホームAV全世界出荷商品タイプ別数量

2012年の合計出荷台数はおよそ1億3500万台が5年後の2017年にはおよそ1億500万台に減少が予測され、向う5年間で出荷は3000万台もしくは22%の減少が見込まれる。この内、成長が見込まれるのは2製品、ワイヤレススピーカー・ドックとブルーレイプレイヤーである。ただし、ブルーレイプレイヤーは来年2014年以降の出荷台数は2750万台程度で推移、同様にワイヤレススピーカー・ドックは3500万台程度で同様な推移が見込まれる。注意すべきはDVDプレイヤーの急速な減少で2012年4000万台が5年後の2017年には875万台に、実に市場出荷はほぼ80%の減少が予測される。一部、インターネットの普及が遅れている地域を除き、ほぼ全ての地域でDVDプレイヤーはネットワーク配信に代替される事になる。

ホームAV全世界出荷商品タイプ別金額

ワイヤレススピーカー・ドックの出荷が2014年以降フラットになると同様に出荷金額もおよそ2950億円でフラットに推移、平均単価の変動は少ない。ブルーレイプレイヤーの出荷台数は2014年以降フラットなると予測されるが、こちらの出荷金額は暫時減少、2014年の約1620億円が2017年には約1330億円となり金額ベースで300億円、20%弱の減少が見込まれる。当然それに伴い平均単価は安くなるのは言うまでもない。
今回はコンシューマーエレクトロニクス及びホームAVの市場動向について 2017年までの市場動向分析をお届けした。次回はこの中から特にフラットパネルディスプレイや4Kについて、もう少し突っ込んだ分析をお届けする。